執筆講演

執筆講演 - 建築コラム

フレーベルからの恩物、積木について


フリードリヒ・ヴィルヘルム・アウグスト・フレーベル(1782〜1852)は世界で初めての幼稚園を創設したドイツの教育学者であり小学校就学前の幼児教育に一生を捧げた。牧師の息子として生まれたが、生後まもなく母と死別し孤独な幼少期を過ごした。その後聖職者で有った伯父に育てられる。大学では哲学科に進んだが、父の死去により退学。後には、また大学に入り直している。

1837年世界初の幼稚園(子供達の庭)を開設するにあたり教員養成にも力を入れて、幼稚園がを普及させた。彼の教育方針は遊びや作業を中心に行うべきと考え、そのために遊具も考案した。それが恩物と呼ばれる積木である。世界的建築家、私が師と仰ぐフランク・ロイド・ライトも恩物の影響を受けたと語っている。この恩物「積木」はさまざまな数学的幾何学的な形で構成されているが、私は子供にとって最も重要な玩具であると思う。皆さまも子供の頃は遊んだことでしょう。私も遊びました。

子供は遊びの天才である。乳幼児の頃から自然の中に身を置き、何でも遊びに取り入れる。最も大切なのは、天然素材を使用して育てる事である。木材を使用した積木は最高の素材である。乳幼児の五感を刺激し、第六感で創造性も養える。しかも数学的にも、発展性のある寸法(モデュール)が求められる。形は丸、三角、四角からはじまり三次元の球、円柱、立方体、直方体、三角錐や四角錐など無限に広がる。200年近くが過ぎた現在における、優れた恩物「積木」の更なる開発が進む事を期待する。